「単線型キャリアパス」からの脱却!採用力を強化する、リファラル採用とは?

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公開日:2017.11.13

働き方改革を推し進めるにあたっての日本の労働制度の課題の1つとして、「単線型キャリアパス」が指摘されています。これはライフステージに合った仕事を選択しにくい、ということを意味します。一方で、日本企業におけるキャリアパスを柔軟にするといわれる「リファラル採用」が徐々に拡大しつつあります。リファラル採用とは、社員が企業の働き方に合致した人材を人事に直接紹介する採用手法で、ライフステージに合った仕事の選択や人材の流動性の向上といった効果が期待されます。今回はそんな企業のリファラル採用の概要とメリットについて解説します。

リファラル採用の現在

リファラル採用とは、社員一人一人がその人脈を活かし、企業の求める人材を人事に直接紹介する採用方法です。 この手法は、アメリカでは一般的であり、同国コンサルティング会社による平成25年の調査で、有名企業50社にとって最大の採用経路(19.2%)であることが明らかになりました。一方、日本での普及はまだ芳しくないですが、近年は注目されつつあります。

以前より日本では、入社したら係長、課長、部長、社長といったように一本道の出世街道を誰もが目指し、そんな「単線型のキャリアパス」は近年日本の労働制度の課題として認識されています。一本道であるが故に、勝ち残るのは一握りで、その他の人は能力があるのにそれを活かせないという状況に陥ります。

一方でリファラル採用においては、従来の単線型ルートではなかったような、転職の幅が広がり、自分の能力を活かすチャンスが得られます。リファラル採用が普及すれば、このような形での転職をだれもが選択しやすくなり、労働市場の流動性が高まると考えられています。リファラル採用によって、労働者側は、自分に合ったキャリア設計が行いやすくなります。さらに企業側も、より能力の高い人材の確保を望むことができるのです。

また、外国人材の受け入れという課題に対する、ソリューションにもなりうると言われています。グローバル競争において、高度な技術や知識を持った外国人材を採用することによって、イノベーションを創出していきたいということが望まれる中、リファラル採用が打開の糸口となるのです。外国人材の採用はハードルが高いと言われますが、リファラル採用という手法を用いることで、社員の紹介ということもあり、信頼関係があらかじめ築かれている中で採用ができるのです。したがって、リファラル採用は、外国人材受け入れの活発化にも、一役買うことが期待されるのです。

このように日本全体の労働制度を改善するという点における期待がかけられるリファラル採用ですが、個別の企業にとってはいかがなものでしょうか。以下ではリファラル採用導入によって、企業が得られるメリットや導入にあたってのポイントを解説していきます。

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企業にとってのメリット

リファラル採用が大きく期待されているのは、導入することで以下のような様々なメリットを得られるためです。

  • コスト削減
    人事採用には、多くのコストがかかります。たとえば、会社説明会を開催する際の人件費や会場費、求人サイトへの掲載料など多岐にわたっています。しかし、リファラル採用においては、これらのコストが必要なくなるため、より効率的な人事採用が可能となります。また、リファラル採用の方が、内定承諾率が高いという点もメリットと言えるでしょう。従来型の採用よりも、内定辞退などによって採用コストが無駄になることが減るでしょう。なお、リファラル採用では、即戦力が採用されることが多いです。したがって、育成コストや再雇用のコストまでも削減する傾向にあります。
  • 企業にフィットした人材の採用
    リファラル採用では、企業の風土や特徴をよく知っている社員から紹介されるため、企業にフィットした人材が紹介されやすいというメリットがあります。このことによって、より人材の能力が発揮されやすかったり、早期退職を防げたりするということが望めます。
  • 定着率の高さ
    人事における悩みの一つに社員の離職あると思います。しかし、リファラル採用では、社員からの紹介であるため、社内に企業のことをよく分かっている知り合いがいることになります。このように仕事についての悩み相談や不安・不満の解消ができる環境に置かれることで、企業への定着率の高さを担保できるというメリットがあります。
  • 転職潜在層の人材を採用できる
    リファラル採用では、社員の人脈を活用します。そのため、あまり大々的には転職を考えてはいないが、心の中で転職をしたいと思っていて友人にはちょっと相談しているといったような転職潜在層へのアプローチが可能です。つまり、転職市場にはまだ出ていない優秀な人材を、ライバルが少ない状態で獲得できるというメリットがあります。
  • 多角的に人材を判断することができる
    一般的な採用では、試験や面接のみといったように人材に対しての判断要素が限られています。しかし、リファラル採用では、社員が普段の生活など、よりディープなところで見ている人材を紹介してくれるため、より多角的に人材の適正を判断したうえで採用できるというメリットがあります。

 

リファラル採用のポイント

前述してきたようにとてもメリットの多いリファラル採用ですが、実際に導入する場合には、高い効果を得るためにはいくつかのポイントを抑えておく必要があります。

  • 社員が好きになるような企業作り
    まず、リファラル採用の根幹は、社員による紹介です。社員が自分の企業に対して好意的な感情を持っていない場合は、紹介率が低くなるでしょう。つまり、社員に好感を持たれる企業作りは大切になります。社員が企業に好感を持つポイントは、職場環境や収入、企業の信念や安定性など様々なポイントがあります。これらを全て底上げすることは難しいので、社員が企業の魅力を改めて的確に認識できるようにするということが、1つの施策として挙げられるでしょう。
  • 紹介するハードルを下げる
    社員のリファラル採用への懸念として考えられることとして、知人を紹介したものの不採用であった場合に関係性が悪くならないかということが挙げられます。このような懸念があると社員は快く紹介してくれません。したがって、紹介のハードルを下げるという手段が効果的です。たとえば、人事に紹介した際に、紹介された人はまず軽い面談を行い、その後に本格的な選考をし、選考結果は本人のみが知ることができるというような流れにするのもよいでしょう。

 

まとめ

リファラル採用は、従来の採用手法において課題とされていたことを解消します。また、より一層企業の推進力を引き上げていく人材を獲得する上でも有用といえるでしょう。いち早く導入し、他社との差別化を図ってみてはいかがでしょうか。

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