【改正】労働契約法(3)不合理な労働条件の禁止

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公開日:2012.11.13

不合理な労働で疲れている会社員

労働契約法改正の施行日

  1. 「雇止め法理」の法定化 平成24年8月10日
  2. 無期労働契約への転換 平成25年4月1日
  3. 不合理な労働条件の禁止 平成25年4月1日

「不合理な労働条件の禁止」について

今回は(3)の「不合理な労働条件の禁止」についてです。
同じ使用者の下で労働契約を締結している、有期契約労働者と無期契約労働者がいる場合に、期間の定めがあることを理由として、不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールです。

対象となる労働条件

全ての労働条件が対象となります。賃金や労働時間などの労働条件に限らず、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など労働者に対する全ての待遇が対象です。

判断の方法

労働条件の相違が不合理であるかを判断する方法は以下になります。

  • 職務内容(業務の内容およびその業務に伴う責任の程度)
  • 当該職務の内容および配置の変更の範囲
  • その他の事情

個々の労働条件ごとにこれらを考慮して判断をします。特に、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、特別の理由がない限り、合理的ではないと解されます。

今回の改正によって、使用者側は有期契約労働者を雇用する際に注意が必要となりました。有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件に、特別に意識をせずに差をつけてしまっている場合もあるかと思います。施行日の前に労働条件や就業規則を見直し、法改正に対応できる準備が重要となります。

前回(2)の補足 無期労働契約への転換 クーリングについて

「6ヶ月以上同一の使用者との間で契約がない場合は、その空白期間以前の有期労働契約は5年に通算しない」とお伝えしましたが、通算契約期間が1年以上の場合は、原則6ヶ月以上になります。通算契約期間が1年より短い場合の空白期間は下の表になります

カウントの対象となる有期労働契約の契約期間契約がない期間
2カ月以下1カ月以下
1カ月超〜4カ月以下2カ月以下
4カ月超〜6カ月以下3カ月以下
6カ月超〜8カ月以下4カ月以下
8カ月超〜10カ月以下5カ月以下
10カ月超〜6カ月以下

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