用語説明
職務において期待される役割によって等級を区分して従業員を格付け、それぞれの等級ごとに賃金等の待遇や権限を決定する制度。職能資格制度と職務等級制度の良い部分を取り出した制度として注目を集めている。
解説
従来的な等級制度としては、「職能資格制度」や「職務等級制度」が存在します。
「職能資格制度」は、リーダーシップ能力や事務処理能力などあらゆる職務に共通する職務遂行能力を基準として等級を定める制度であり、企業内ゼネラリストの育成や適切な人事異動の実現など柔軟な組織運営を可能とするメリットがある一方、年功序列的な運用がされやすいなどという課題があります。
「職務等級制度」は、すべての職務について必要能力や責任範囲等を明らかにしたうえで待遇や権限を決定する制度であり、職務内容や求められる能力が明確になるというメリットがある一方、組織の硬直化を招きやすいなどという課題があります。
「役割等級制度」は、職能と職務を大きく一括りにした「役割」を決めることで、「職能資格制度」と「職務等級制度」のメリットの両方を享受できるようにした制度だといえます。
社員としては、自分の果たすべき役割が明確になるとともに、職務の変化にも柔軟に対応することができるようになります。また、企業としても、職務よりも役割を定める方が容易なうえ、社員の待遇を適切に決定することが可能となるというメリットがあります。