総務部門に巣くう「属人化」という名の病
「属人化」とは、ある業務を特定の人が担当し、その人しかやり方が分からない状態になっていることを指す言葉です。業務内容が多岐にわたり、その頻度も難易度もバラバラだからこそ、総務部門の業務は属人化しやすい傾向があります。
この問題を放置したままにしてしまうと、誰がどんな業務を担当しているのか見えづらくなり、以下のような問題が起こります。
- 現場の「人が足りない」という声を鵜呑みにしてしまい、業務に対して過剰に人材を投下してしまう
- 担当者が辞めたときの引き継ぎがままならない
- メンバーの間に不公平感が漂っており雰囲気が悪い
総務部門にとって属人化は深刻な病なのです。総務部門のマネージャーのみなさま。あなたの会社は大丈夫ですか?
まずは簡単な検診で属人化率を測ろう
まずは総務部門の属人化率を測ってみましょう。〇の図をご覧ください。横軸は「バランス」がとれているかどうか、縦軸は「型化(かたか)」ができているかどうかを測る指標です。
バランスとは…業務が最適配分できているかどうかを測る指標です。
型化とは…業務を行なう上での手順やルールが明確でその情報に誰でもアクセスできる状態かどうかを測る指標です。
では早速始めましょう。当てはまる項目にチェックを入れてください。
Check1:バランスの項目
□特定の誰かに業務が集中している
□マネージャークラスが作業レベルの簡単な業務を抱えている
□何をしているのかよく分からないヒマそうな社員がいる
□職場の雰囲気があまり良いとは言えない
Check2:型化の項目
□定型業務で同じミスが繰り返し起こっている
□日常的なのに担当者じゃないと答えられない業務が多い
□定期的に行う業務なのにマニュアルがないものがある
□関連する業務を別々の担当者が行っている
「業務一覧表」が脱属人化の処方箋
バランスのチェック項目、型化のチェック項目の結果を、図に反映させてみてください。左下が、属人化度が低い理想の状態。右上は属人化が進み危機的な状態です。
例えば、バランスの項目でチェックがついたものが3つ、型化の項目で2つあれば、あなたの組織の属人化率は“中”です。
チェックの数が少なかった企業も要注意。一つでも当てはまるものがあるのなら、業務の可視化を進め、属人化率を減らしていきましょう。そのための簡単な方法として、「業務一覧表」の作成をおすすめします。
業務一覧表を作成・運用していき、属人化率を下げることは、離職率の低下、業務の効率化につながります。組織のパフォーマンスの大幅な向上につながる、業務一覧表の作成、運用方法はPDFに掲載しています。ぜひ下記よりダウンロードしてご活用ください。
監修:株式会社ゼロイン
オフィスサービス部 部長 石塚 裕
さまざまな業種・業態の企業のバックオフィスの業務改善、組織のコミュニケーション活性化支援に10年にわたり従事している。