オンライン研修とは?周りと差をつけるための取り組み方をご紹介!

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公開日:2022.1.31

新型コロナウイルスの急速な感染拡大から1年半以上が経ち、社内研修を全てオンラインで進めている企業も多いのではないでしょうか。オンライン研修では、受講場所の制限がないことや時間と費用のコストを削減できること、感染症対策が可能なことなどさまざまなメリットがあります。しかし、オンライン研修を受講する人たちにとっては、対面での研修と比較して、学びに差が生まれてしまうのではないかなどの不安があるでしょう。
そこで本記事では、ソニービズネットワークス株式会社の研修担当である山口さんと酒井さん、そして実際にオンライン研修を受けた矢口さんへ、研修の感想や課題をヒアリングし、研修を円滑に進める上でのポイントを聞いてきました。

「ただ遠隔で研修ができる」だけではないオンライン研修

オンライン研修とは

働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、これまで対面で行っていた集合研修を、場所を問わず受講できるオンライン研修に切り替える企業が増えています。オンライン研修ではWeb会議システムを用いた講義形式が一般的で、PCやスマートフォンなどの機器とネット環境があれば受講できることが特徴です。
場所を問わない社員教育としてeラーニングがありますが、eラーニングでは画像・スライド・動画などを受講者が視聴することで研修を進めるという点で異なります。

オンライン研修のメリット

  • 場所を問わず参加可能
    拠点がいくつかあるような企業では、集合研修の度に社員を集めてしまうと移動時間や交通費・宿泊費がかかってしまいます。勤務地によっては、支障があって参加することができず、教育格差が生まれてしまうことも考えられます。一方、オンライン研修では各拠点のオフィスや自宅からでも参加できるため、こうした制限を受けません。また、現在は感染症対策の面でも、密を避けることができるというメリットもあります。
  • 相互コミュニケーションが可能
    eラーニングと比較して、講師と受講者間、受講者同士のコミュニケーションを行うことが可能な点もメリットの1つと言えます。Web会議システムの機能を活用することで、グループワークも可能です。また、チャットや挙手機能などがあるWeb会議システムでは、集合研修よりも発言がしやすく、理解を深めることにも役立つでしょう。

オンライン研修のデメリット

  • ネットワーク環境の整備が必要
    受講者は自宅から受講できる一方、自宅のネットワーク環境が整っていないと快適に受講できない可能性があります。通信回線が不安定だと、動作が重くなってしまったり、画像や音声が途切れてしまったりすることもあるでしょう。オンライン研修を実施する際には、企業が事前にネットワーク環境整備のサポートをしてあげることが重要です。
    NURO光では、回線速度が下り最大2Gbpsで大人数でのWeb会議やクラウド作業、大容量のデータやり取りを快適に行うことが可能です。回線速度が遅く、会議中にビデオが切れてしまう、円滑なコミュニケーションが行えないという課題を解決できます。
  • 受講者同士のコミュニケーションが難しい
    オンライン研修では、受講者が別々の拠点にいるため、受講者同士のコミュニケーションが難しくなります。しかし、グループワークを実施することはオンライン研修でも可能ですので、積極的に取り入れると良いでしょう。また、研修終了後に、受講者同士でチャットなどをするよう促し、理解度を高め合うような工夫をしてみるのも良いかもしれません。

 

ソニービズネットワークス株式会社のオンライン研修

ソニービズネットワークス株式会社では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて業務のオンライン化を進め、2020年4月以降に入社した新入社員の研修は全てオンラインで行っています。しかし、オンライン研修導入当初は、先が見えない状況であったことから、多くの障壁を乗り越える必要がありました。そこで、当時の状況やオンライン研修受講者の想いなどを、研修担当である山口さんと酒井さん、そして実際にオンライン研修を受けた矢口さんにインタビューしました。

研修を実施した人事社員の声

--オンライン研修を実施した当時の状況を教えてください

>>山口
当社は新型コロナウイルスが流行し始めた2020年の2月末から全社員に在宅勤務を導入しました。そのころは事態がすぐに収束する見立てだったため、「様子を見ながら」という形で4月に対面での新人研修を予定していました。地方配属予定の内定者も東京本社で研修を行う予定だったため、ギリギリまでマンスリーマンションなどを押さえ、集合研修を行えるかを検討しましたが、新型コロナウイルス収束の気配がありませんでした。そのため、2020年4月入社の新入社員研修からオンライン研修を導入しました。元々は3ヶ月間の研修を予定していましたが、コロナ禍の対応事項などもあり、半年間へと延長を決定しました。その後、在籍の社員に向けた研修もオンラインへ移行し、それ以降は集合研修を行っていません。

--急速な新型コロナウイルスの拡大で、オンライン研修を開催する人事の方や新入社員の声はどのようなものがありましたか。また、新型コロナウイルス感染拡大から4月の研修まで期間が短かったですが、問題などはありましたか

>>山口
受け入れる側も新入社員側も不安だっただろうと思います。当時は、ここまでコロナ禍が長期化することを見込んでいなかったため、「5、6月は出社ができるかもしれないので、とりあえず4月はこのカリキュラムでやってみよう」とその時々で決断しました。しかし5月頃になって、「オンラインで中長期的にやっていくしかないのか」と思い、オンラインで全ての研修をやり切るカリキュラムに変更しました。新入社員もいつ出社ができるのか、例年に比べると見えにくい状況であったため、やはり不安が相当あったはずだと考えています。

--半年間の研修はかなり長いように感じられますが、いつ頃から延長が決まったのでしょうか

>>山口
6月頃から、本来やろうとしていた営業系の研修の実施を決めたため、そのタイミングで延長が決まりました。この頃には「コロナ禍はこのまま長期化していくだろう」と覚悟し、研修だけでなく、新規のテレアポや他の営業業務をオンラインで進めていこうと決めました。半期が終わるちょうど良いタイミングだということで、10月を目処に研修を終わらせるよう企画しました。この経験があったため、2021年の研修は全てオンラインでできると分かり、本来予定していた3ヶ月間で研修を実施し終えました。

▲ソニービズネットワークス株式会社 HR本部 人事戦略課 課長 山口さん

--オンライン研修のプログラム内容で意識していたことを教えてください

>>山口
コロナ禍以前の研修と、基本的には同じカリキュラムで行いました。
当社の新入社員の配属は営業前提であるため、研修中に新規営業のテレアポや商談の同席などを行います。しかし、いきなり自宅から新入社員ひとりでテレアポを行うのは厳しいと思い、管理システムで先輩社員がモニタリングをしながら「こういう時はこのように言ったほうが良い」とリアルタイムでアドバイスを送るようにテレアポ研修を工夫しました。ある程度自立できるまで手厚くサポートしたことで、新入社員も安心できたようです。

>>酒井
新入社員が電話している声やお客様がお話ししている声をモニタリングできるので、チャットなどで出社時以上にサポートができたと思います。電話は慣れるまでが一番大変です。オンラインですと周りの同期の声を聞いて学ぶことが難しいため、慣れるまでは手厚すぎるくらいにサポートをしていました。

>>山口
さらに、オンラインの研修ということもあって、メリハリを付けられないこともあるかなと思い、初めてスケジュール表を導入しました。出社をしていれば、業務時間中に少し同期と雑談をする時間がありますが、オンラインだとメリハリがつきにくくなってしまうので、「この時間にこれをやる」というスケジュールをグループで作ってもらいました。グループでスケジュールを作ることで、休憩時間を一緒に取ったり、勉強時間を一緒に作ったりできるなど、一人で煮詰まらないような工夫になっていたと思います。
スケジュール表については前日までに人事がチェックするようにしていたので、新入社員側で緩いスケジュール立てることはありませんでした。人事側としても、「この時間に各グループが何をしているのか」を把握できたため、メリハリの面と管理の面でお互いにメリットがありました。
また、コミュニケーション面で、特に大事にしていたのは、新入社員に孤独感を感じさせないようにすることです。 あまりコミュニケーションを取れていなければ、オンライン飲み会を開くなどして工夫していました。

▲ソニービズネットワークス株式会社 HR本部 HR部 人事戦略課 リーダー 酒井さん

--研修期間中、オンラインならではのトラブルや課題はありましたか

>>山口
新入社員が落ち込んだ時に分かりづらいというのが課題でした。出社していた時は、上手くいってなさそうだったり、結果が出なかったりしている時に様子を見て、声をかけていました。しかし、オンラインだと様子がわかりづらいので、朝礼終礼での様子や日報の内容を見て、適宜声をかけるようにしていました。

>>酒井
チャット上だと本音を言いづらいのではないかと考え、相談を受ける時はWeb会議システムなどで顔を合わせて話を聞くようにしていました。また、新入社員はPC操作も慣れていないため、チャットで文字を打つこと自体にストレスを感じている子もかなりいましたね。

--配属後のフォローはどのように行っていましたか

>>山口
元々の研修プログラム上、研修時から営業部の社員に関わってもらうことが多く、トレーナーとして現場の若手社員を配置したり、営業部の課長クラスと相談ができる機会を設けたりしていました。商談同行など、研修の時から配属予定の現場社員と関わる機会を多くしたというところが、配属後フォローの1つかなと思います。また、配属後にも人事との面談を実施して、「配属後の調子はどう?」と話をしたり、オンラインで追加研修を行ったりといったサポートもしています。

--今後オンライン研修で取り入れたいことを教えてください

>>山口
まだまだ新型コロナウイルスの収束の期待は低いので、既存の研修や階層別研修などをオンラインでできるようにしたいと考えています。新入社員は研修がメインとなりますが、既存社員は研修中に本業の業務対応依頼のチャットなども来てしまい、集合研修の時よりも研修に集中する環境が作りづらいと感じました。新人研修では起こり得ないことに気づかされたので、そういったことが無いような仕組みづくりをしていきたいです。

  

実際にオンライン研修を受けた若手社員の声

--オンライン研修が導入された時点での率直な気持ちを教えてください

>>矢口
当時は「社会人は出社するもの」というイメージがあったので、入社後の進行やいつまでこうした状況が続くのかといった、漠然とした不安がありました。

--研修を通してそういった不安は解消されましたか

>>矢口
はい。人事側でカリキュラムを用意してくれたり、国の緊急事態宣言に合わせて柔軟に研修期間を調整してくれたりしたため、不安はだんだんと解消されていきました。

--半年間在宅で研修を受ける中、モチベーションを保つことはできましたか

>>矢口
正直なところ、保てなくなるときも多々ありました。研修はチーム制で動いていたので、メンバーと定期的にチャットでやり取りしたり、ミーティングルームを開いて雑談をしたりして、互いにモチベーションを高め合っていました。また、当時オンライン飲み会が流行っていたこともあり、多い時は週に一回ペースで開催していました。

▲ソニービズネットワークス株式会社 矢口さん

--半年間の研修で印象的だったことや勉強になったことを教えてください

>>矢口
印象的だったことはテレアポ業務です。研修の中で一番時間をかけた部分ですし、お客様と初めて接触する場だったということもあり、とても印象に残っています。テレアポ業務を始める前に何度か練習はしましたが、実際どのような方が出るのかは電話するまで分からないですし、練習通りに上手くいくことはほとんど無いので、すごく不安でした。しかし、最初は担当の先輩社員が架電時にモニタリングしてくれており、その場でチャットを通じてアドバイスをくれたので安心して取り組むことができました。
勉強になったことは、敬語の使い方やビジネスメールの送り方、Excelの使い方などの社会人としての基礎知識です。また、当社は通信系の商材を扱っていることもあり、ITに関する知識もつきました。

--研修を終えて配属された後は、スムーズに業務に移れましたか

>>矢口
はい。 研修時からテレアポをしたり、商談に同席していたりしたので、知識以外の部分で特に問題はありませんでした。また、配属時点で既に関わりのある社員が複数いたため、コミュニケーションの面に関しても問題はありませんでした。

--最後に、今後のオンライン入社世代に向けてアドバイスがあればお願いします。

>>矢口
私も入社当初はオンラインだけでやっていけるのか不安でいっぱいでした。ですが、実際に働いてみて、通勤時間がない分、勉強やプライベートの時間に充てることができたり、地方にいる社員と場所関係なく気軽にコミュニケーションが取れたりと、メリットもたくさん感じることができました。オンラインの良さを上手く活用して、自分自身が働きたいと思えるような会社を選んでいただければと思います。

>>山口
今後新型コロナウイルスが収束するか分からない状況ですが、その状況によって、新入社員にどうしていくのが最善であるのか、各社真剣に熟考しているはずです。私たち自身も、「こうした状況下でどんなことができるだろうか」と、毎日のようにミーティングを重ねて考えています。皆さんも安心して前向きに入社してもらえればと思います。

>>酒井
実は、社会人歴が長い方もコロナ禍でオンラインへ切り替わった当初は大変な思いをしていました。そのため、これから社会人になる皆さんの不安な気持ちもよく理解できます。弊社のみに限った話ではないですが、1年半以上こうした状況を経験したことで、フォロー体制も整いつつあると思うので、怖がらずに社会に飛び込んできていただければと思います。

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まとめ

2020年以降入社のソニービズネットワークス株式会社の新入社員は、入社直前の3月30日に入社式中止が決まり、研修のオンライン化も暫定的に発表された世代です。コロナ禍で周囲の状況が急速に変わり、バタバタとした状況にあっても、新入社員のサポート体制を整備することができました。今後の状況がどうなるか読めませんが、本記事がこれから入社する上で不安を抱えている方への助けになればと思います。

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