家族手当とは?支給要件や共働き家庭への対応方法を徹底解説!

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公開日:2019.9.10

家族手当とは、家族を持つ従業員に対して基本給とは別に支払う手当のことを指します。家族手当は法定福利ではないため、企業に支払いの義務はありませんが、現在多くの企業が導入しています。制度を導入する際には、二重取りや違反を防ぐため、あらかじめルールを定めておきましょう。今回は、家族手当の意味と支給要件、支給額の相場、導入の注意点について解説していきます。

家族手当とは

家族手当とは、配偶者や子供をもつ従業員が企業から受けられる福利厚生のひとつです。単身の従業員と比べて、家族がいる従業員はその分多くの支出があり、その負担を軽減させるためのサービスです。法定福利ではないため、支給自体が法律で義務づけられているわけではありません。したがって、家族手当の支給の有無や、支給の要件などは企業によって異なります。詳しくは就業規則に書かれていますが、子供の数や配偶者の収入額などの要件はおおよその企業にて採り入れられています。
また、扶養手当や配偶者手当といった似た言葉がありますが、これらも支給自体が法律で義務づけられているわけではなく、支給要件は企業に任せられており、基本的には家族手当と同じ意味ととらえても問題ありません。企業独自の呼称や手当の対象者の細かい分類による違いから呼び方が分かれています。

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家族手当の支給要件

家族手当の支給要件についてよく採り入れられている基準をいくつか見ていきたいと思います。

配偶者や子供の人数

家族手当という言葉から推測できるように、この手当は基本的に配偶者や子供といった家族と生活している従業員に向けたサービスです。単身の従業員には手当の支給はなく、家族がいる場合には申告すれば支給されるようです。

同居の有無

従業員の家族のうち、同居している人のみを支給対象と定めるケースもあります。例えば、大学生の子供がひとり暮らしのために離れて生活することになれば、その分だけそれまでよりも支給額が減額されることになります。また、大抵は同居している家族を対象とするため、両親など、配偶者や子供以外にも同居している家族は支給対象になるケースがあります。

扶養家族の有無

「同居の有無」というポイントに似たものとして、扶養家族の有無もあります。例えば、先ほど例に挙げたような親元を離れて生活している子供が仮に親の仕送りを受けている場合、同一収入内で生活しているとみなされます。要するに、従業員の収入によって生活する扶養家族が支給対象になるということです。当然ながら、従業員が子供だけでなく両親も養っている場合、どちらも支給対象に含まれるでしょう。

年齢

配偶者に関してはその有無によって支給されるか否かが分かれますが、子供や両親に関しては、仮に上記を満たしていても、その年齢によって支給対象から外されるケースもあります。参考までに、子供の年齢制限は満18歳以下や満22歳以下としている企業が多く、両親の年齢制限は満60歳以上としている企業が多いようです。

家族の収入

家族手当の支給要件に、対象者の収入制限をかけている企業もあります。その上限額は例えば103万円や130万円などと設定されており、これを超えた収入をもつ家族には家族手当が支給されません。

 

支給額の相場

続いて、支給額の相場を見ていきたいと思います。国家公務員へ支給する場合と国家公務員以外に支給する場合とで大きく相場が分かれます。

国家公務員に支給する場合

国家公務員への家族手当は通常、扶養手当と呼ばれており、ひとり当たりの支給額が以下の区分ごとに規定されています。

  • 配偶者:6,500円
  • 0歳~15歳の子供:10,000円
  • 16歳~22歳の子供:15,000円
  • 父母等:6,500円

なお、地方公務員への支給額は各地方自治体ごとに異なりますが、基本的には国家公務員への支給基準に準じて決定されます。

民間企業従業員に支給する場合

民間企業ではそもそも各社が自由に支給額を設定できるため、企業間の差が大きくなります。平均すると、ひとり当たりの支給額は以下のようになります。

  • 配偶者:10,000円
  • 子供:3,000~4,000円

このように、1~2万円程度の支給額が現在の相場となっています。

 

家族手当導入時の注意点

これまで、家族手当の支給要件から支給額の相場まで触れてきましたが、そもそも家族手当は企業が独自の福利厚生のひとつとして設定しているものであるため、支給要件や支給額についての裁量は企業に一任されます。福利厚生を強みとしている企業であれば、従業員の家族構成や扶養状況について調査を行い、従業員の希望に沿った家族手当を用意すべきでしょう。その他、家族手当には以下のような注意点も存在します。

家族に就業調整を促す可能性

上記にもあるように、家族手当の支給要件のひとつとして、家族の収入に制限を設けた場合の話です。家族が上限額を超える収入を得てしまうと、その家族分の手当は支給されませんので、わざと労働を減らして収入を手当支給の範囲内に収めようとする人が出てきます。こういった事例は本来得られたはずの労働機会が減少してしまうだけでなく、本人の意思が尊重されないという結果をもたらす可能性があり、社会全体からみると決して望ましいものではありません。

就業規則には詳細な明記が必要

家族手当は企業によって支給額や支給要件が異なり、その具体的な数字に関しては企業が自由に定めることができます。よって、まず手当を用意しているのかどうか、そしてその手当はどのようなものなのかを、企業ははっきりと就業規則に記す必要があります。

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まとめ

家族手当は、家族がいる従業員に対して提供する福利厚生で、その内容は企業が自由に決めることができます。一方で、配偶者や子供がいる従業員の割合などは企業によって違うため、そもそもこの制度を採用するのかどうかというレベルから企業は検討する必要があるでしょう。

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